華流熊

~A Day in the Life of a Bear~

中国ドラマ《女心理师》はヤン・ズー主演の癒しの作品

苦手だった女優さんを素敵だと思えた、意外な作品の話。

ラジオDJと心理カウンセラー

あらすじ

生活のなかで心の痛みをうまく処理できず、バランスを崩していく人たち。賀頓のカウンセリングルームへやってくるのは、不安を抱えて誰にも相談できない女子高生、自己主張がうまくできないサラリーマン、毒親に耐えかねて過食症になってしまった娘、セカンドレイプの恐怖に耐える性犯罪被害者の女性…… 彼らの話を聞き、感情を受けいれることを教え、回復を見守る。カウンセリングによって心の闇をときほぐし、傷ついたひとたちの人生にふたたび光をもたらす、心理カウンセラーの活躍と成長を描いたドラマ。

まじめに共感できる華ドラ

どの人のお悩みも多かれ少なかれ、リアルに思い当たるところあり。

もし自分もおなじ境遇になったら…と、

華流ドラマでまじめに共感できることに驚いてしまった

お仕事・恋愛・サスペンス・友情

原作は2007年に出版された毕淑敏の小説《女心理师》。

しかし原作が書かれてからすでに10年が経過していて、怒涛のような経済発展もあり、その間には中国人のメンタルも少なからず変化してきた。

そこで、ドラマ化にあたって現代人が共感できるようにと、制作陣は北京師範大学心理学科の協力を得て実際にあった直近のケースに近づける工夫をしたそう。

どうりで。と言いたくなるほど、相談者のストーリーや賀頓、莉莉など登場人物の葛藤には、いろいろ思いあたるところがありすぎ。

毎回共感しすぎて心が忙しい~!

《女心理师》を単純なお仕事ドラマと思わないでほしい。

とは、プロデューサー郭峰氏のお話。

原作小説『女心理師』の神髄をドラマに吸収したかった。

原作の重要な理念として、他人を治癒することを通じて最終的には自分自身が治癒する、という考え方があるんだ。

毕淑敏先生は、この世界で生きようとするとき、外に求めるだけでなく内にも求めなければならないと言っている。

それは、心の病は最終的には誰かが助けてくれるというだけじゃなく、自分でも解決に向けて動かなきゃだめ、自分で自分を救う必要があるっていうことだ。

こういった理念をドラマの中に入れ込みたかった。

《女心理师》首播 专业性受好评 杨紫在剧中拯救他人也疗愈自己_腾讯新闻

いやー、まじめなドラマですねぃ。

たしかに、毎回のように専門的知識を説明するEテレな時間があるし笑

わかりやすいし勉強にもなります。

かなりおさえても美しい杨紫

杨紫(ヤン・ズー)といえばお姫様とかギャルのイメージでした。

正直、苦手だったので主演作は避けてたかも。

でも本作の賀頓はいつものキラキラ女子じゃなく、かなり地味なビジュアルに抑えられてて、まずそれが驚き。

(地味の理由は、第2話あたりで賀頓が教えてくれます)

落ちついてて地味めにおさえたヤン・ズー、

それなのに美しさはまったく損なわれていません。ぜんぜん美人。まばゆい透明感。

かなり良いと私は思ったけど、中国のみなさんはどうだったのでしょう。

大幅イメージチェンジですもんね。

ルームメイト汤莉莉ちゃんが可愛い

イケメン枠はラジオDJ・钱开逸を演じる井柏然のほか、

となりのミステリアスな青年・叶家辉役の王嘉(ワン・ジャー)はぜったい気になる。ジン・ボーランと並んでも見劣りしないほどスタイルが良いし、お顔もザ・中国人という感じでもなく中性的でおきれいです。

その叶家辉は、とっても美形なのに・・・怪しすぎる行動を連発する彼から、色んな意味で目がはなせない。

そんな彼も、癒されるときが来るのかしら。

メガネ美男子 叶家辉

エンタテインメントとしてもOK

スタッフのハートがマジメ系なのはさておき、説教くさい教則本ドラマと思うなかれ。

贺顿と钱开逸の恋愛パートあり、叶家辉くんのサスペンスパートあり、汤莉莉ちゃんの可愛さありで、

暗い話もあるけどずっとそればっかりではなく、笑えるシーンや緊張するシーンもほどよく配置されて、とちゅうで飽きることがなかった。

ロケ地が海南島だそうで海の景色がとっても素晴らしく、それも癒しポイント。

われら、生きてりゃ気持ちが傷ついたり、なんとなく落ちつかない日ってのもあるよね。

そういう日には、また見たいドラマだなと思います。

作品情報

2021年中国 全40集(45分)

豆瓣评分 5.2

監督 柯汶利

原作 毕淑敏《女心理师》

日本語版は無いかも?残念です

英語字幕ならYouTubeで見れる。


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キャスト

贺顿 杨紫(ヤン・ズー)

钱开逸  井柏然(ジン・ボーラン)

叶家辉  王嘉(ワン・ジャー)

莉莉    菅纫姿(ジェン・レンズー)

リウ・ユーニンのドラマ

リウ・ユーニンが気にいってます

そもそもは歌から入った私ですがね

ほらこれなんか、もうたまらんのですよ~


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往年の名曲《我愿意》

これまで歌った人は数知れずでも、ユーニンが歌うとまた新鮮な感動が湧きます…!上手やわ

いや、そうじゃなくて、リウ・ユーニンは役者としても大活躍なんで

何か良い作品見たいなーと思った。思ったけども

意外に多くの作品に出ていらっしゃるね

 

百度百科の出演作一覧より

《说英雄谁是英雄》、《紫川》は途中まで見て、フェードアウトしてしまったやつ。

いいドラマだろうなと思いつつ見はじめても、日常のこまぎれ時間でちょびちょび見るしかなく、そのうち集中力が続かなくなるパターン多い。

『安楽伝』は今見てる。たしかに刘宇宁が出てる、洛铭西の役。

でも私の(勝手に思ってる)刘宇宁のイメージとはかけ離れてる感じかも。だって、洛铭西は病弱なんだもん!青白くて、ゴホ。ゴホ…。とかいって。

最初っから悲しい結末を予感させる登場人物だ。

いつのだったか摩登兄弟刘宇宁直播の録画を見てたら、ちょうど刘宇宁ご本人もそのことを指摘されてたのを思いだす。

「洛铭西は病弱で声も細いし、だいたいゴホゴホ言ってるだけなんで、アフレコが楽!」

「それに比べて江湖の豪傑みたいな役のときは、ふつーの事をしゃべってるだけなのに、めっちゃ疲れる!」

(紫川のことか?)

とか、まあ好きなこと言ってましたね。

けっきょく刘宇宁は直播がいちばんオモロイのかもしれませんが

『安楽伝』は、まだいま太后が死んだとこなので、この後どんな展開があるのかは知らない。

 

それより『長歌行』見ようかなー。同じディリラバ主演の作品だけど、刘宇宁の役は、こちらの方がだんぜん素敵ですもんね。

じつはYoutubeの《皓嫣传》で、刘宇宁のご活躍は粗くは押さえずみです。いい役!

皓都は、キメるときはちゃんと強いし、純情・奥手でカワイイし、生い立ちが不幸という陰もあって深みを感じさせるという、魅力いっぱいの人物に見えます。

ただ ディリラバ&ウー・レイをそんなにがっつり見たい気が起こらず放置中

けっこう《皓嫣传》だけで満足しちゃったかもしれませんね

この2人だけで、1本ドラマつくってほしい~


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でも、この《皓嫣传》に入ってない皓都の出演シーンがあるなら見たい気もするので、やっぱりこのあと『長歌行』を見るかな。

あと気になるのは、

本国で超ヒットした主演作『一念関山』と、

動画配信者でシェフの役を演じた《做自己的光》かな。

どっちも姐弟恋ものだけど、相手役がビッグネームすぎるために、ことさらユーニンの大出世ぶりが目につく2作品。ブレイクしたんだね!

『一念関山』の相手役・刘诗诗は、実年齢でユーニンより3つ年上のようだけど、予告編なんか見ると演技に纏う迫力や魅せる動作は、まったく段ちがい。やっぱり刘诗诗には何かある。

問題は《做自己的光》で共演した刘涛だがね。年の差12歳?っていうのがすごいよな。

もちろんパーフェクトな刘涛さまなので、美しさやスタイルに翳りがみられるようなことは、全くないんですけどね。カゲルどころか、成熟を感じさせる。中国美女はトシとりません。

この《做自己的光》は、台本を読んだ刘涛が、動画配信者でシェフという設定の蒋俊豪役は、リウ・ユーニンに‟あて書き”したキャラだろうと脚本家にきいたら、「リウ・ユーニンって誰?」って言われたという逸話が伝わっている。

この話のオチは、意外に知名度あがってないリウ・ユーニン!なのか、それともあて書きじゃないのに网红でしかも厨师(刘宇宁は微博ライブ配信から人気が出た歌手で、デビュー前には料理人の経歴がある)だなんて、すごい偶然!なのか、よくわからない。

だけど本人の属性とそんなにかぶってる配役なんだったら、ぜひ見てみたいなと思ってます。

まずは主題歌で心の準備運動しとこ~


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【本】『蘭亭序之謎(コード)』上下巻

あの王義之による伝説の書、《蘭亭序》に隠された謎を追うミステリー小説を読みました。

作者は唐隠さんという女性の作家さん。1970年代中国上海生まれだそうです。これは、彼女の代表作「大唐懸疑録シリーズ」の1作目らしい。懸疑録って日本で通じるコトバかな?

 

内容

大唐後期の元和10年(815年)6月3日、ときの宰相・武元衡が朝の出仕の途上で何者かに暗殺されたが、武は死の2日前に出会ったばかりの裴玄静にあてて謎ときの手がかりと思われる遺品や詩を遺していた。いつもどこからともなく現れ、魅力的だがどこか信用できない男・崔淼の助けを借りながら、神探・裴玄静の長い長い謎解きの旅がはじまる。

人物

主人公の裴玄静は7歳ではじめての事件を解決したという伝説を持つ女探偵。大唐の宰相、裴度の姪。

彼女とともに謎解きに挑むのが、流れ者で医者の崔淼。秘密めいた行動で裴玄静の心をまどわす。

この2人はどちらも、びっくりするほど博識で、頭の回転が速くて、とっさの機転が利く人。しかも美男美女。ストーリーを語る中心人物という都合上、多少できすぎでもまあ許容するとしよう。

嬉しいのが、ほかの重要人物がほとんど実在の人です。玄静の婚約者・李贺、暗殺される宰相・武元衡、のちに宰相となる叔父の裴度、叔父たちの政敵・吐突承璀、さらにはチョイ役?と思われた家僕の王义、従兄の裴识、友人の韩湘にいたるまで、みんな同時代に唐で生きてた人なんだってびっくり~。そうそう、あの空海和尚の名前も出てきましたよ!

同時代感が大きな魅力

歴史上人物とプロフィールが一致するだけじゃなく、しらべてみると長安で起こる事件の描写も極力史実のままに描かれているのがわかります。現在進行形で現場をいっしょに生きてるような気持ちを味わえる。

あと、特筆すべきは唐詩の存在感です。物語をとおしてあらゆるシーンで、彼ら登場人物の心情やメッセージを代弁する形で、詩が効果的に引用されています。この詩、15編ほどあったと思いますがこれも実在の彼らが当時作った唐詩なんですね。とうぜん形も美しく、史実を語っていて、読みごたえのある作品ばかり。それがぴったりとストーリーにはまる形で挿入されて、物語を語ってくれるとは。もう感動ですね。

日本語版ですが読み下し文だけじゃなくて、脚注にちゃんと原文のせてくれてる~。こういうとこも好感大です。

地理好きの期待にも応えます

「興化坊から大明宮に行くには…」と道順の描写があれば《唐代長安図》を広げてたどり、皇帝がわざわざ特別に「清思殿」で玄静と語り合うと聞けば、《唐代大明宮》の図を探しだし、奥まった場所にあるその宮殿の場所を確認したり。

ああ楽しい。

玄静と崔淼の謎解きの旅路は、長安~洛陽といったよく知ってる地名から、「潼关宿」に泊まったり「渑池宿」を通り過ぎたりして、「河陰」とか「昌谷」とかに行くのですが、もちろんそれも《中国歴史地図集》で確認!

中国历史地图集     ←これ便利w

ああ楽しい~。

 

たぶんこれは謎自体というより、この同時代感やディテールを楽しめる人向きの作品ですね。私は大満足ですよ。

私とて、そんなにコアなマニアじゃないんですけども、王義之や憲宗皇帝、韓愈、柳宗元、聂隐娘などなど、とても有名な人物がこれでもかと出てくるので、そこまでマニアックすぎるきらいもないですし。

推理ものの割に、ラストがけっこうフワッと終わったな~っていう感想ですが、それも不快ではなくてむしろ続きが楽しみです。

さらに下巻に収録された番外編のシブいこと…。短い話なので内容は書きませんが、これも世界観がいいです。

本国ではドラマ化の話もあるとネットのどこかでひろい読みしたのだけど、見たところ、まだそういった作品は見当たりませんね…。

シリーズと言うだけあって、この『蘭亭序之謎』の続編として《璇玑图之谜》、《长恨歌之谜》、《推背图之谜》があるようです。(文庫の裏表紙情報)

はやく続きが読みたい。。。

 

 

【本】『中国語はおもしろい』新井一二三

大事にしている中国語本の話です。

中国語著書も多数出版されている新井一二三(あらいひふみ)さんが、中国語という言語の魅力やポテンシャルについて語った本。2004年の著作ですが、恐ろしいことに、今でも古さを感じない。

新井一二三」は、林ひふみさんというジャーナリストのペンネームだそうです。講談社現代新書カバーの記載によると、東京生まれ、早稲田大学政治経済学部在学中、北京外国語学院、広州中山大学留学。卒業後、新聞記者を経て87年カナダへ、その後香港へ移住。とあります。かっこいいグローバルな経歴!

中国語人の孤独感

日中関係はかならずしもよい時ばかりではなくて、ささいな事で炎上したり、ささいではない事が起こってショック受けたりするのが日常茶飯事ですよね。

私たちが普段目にするごくごく一般的なメディアでも、中国イコール否定!の決めつけた論調だって珍しくないです。プラス面の評価は、だいたい経済面に偏る。

これって中国語学習者すなわち「中国語人」にとっては、ちょっと疎外感あるのでは?

頭ごなしに、しかも面白おかしく決めつけるような記事を見ると、「じっさい会って話してみれば、そんなことばかりじゃないのに…」と、寂し~い気持ちになっちゃいますし。

14億人といわれる中国人、そりゃ中には変な人や悪い人もいるでしょうけど、大多数はいい人たちだと思っている。

中国語のことをもっと知りたいときに

中国語をこよなく愛する著者が書いたこの本は、もっとプラス面から中国語について理解したい&しりたいと思っている人にはうってつけの一冊です。

こんな風に中国語の魅力を正面からとらえている本、希少さから言えば、日本の中国語人にとっては‟渇望の書”かも。

中国語を勉強している人はたくさんいらっしゃると思いますが、きっかけは中国への興味というより、大学の一般教養で単位充足のために選択する人が多いんじゃないでしょうか。

単位が取れてしまえば、もはや中国語を勉強する理由も失われ…。

つまり1年かけて初級レベルを勉強しても、その後は放置で忘却にまかせてる人がほとんど?

特に好きでもなかったらそれでもいいかもしれないけど、どこかで中国語を勉強する機会に恵まれ、中国語が好きだと思った人がいたとして、その人が継続的に勉強するには、もう少し興味やモチベーションが必要になります。

この本『中国語はおもしろい』はそのヒントを与えてくれるもの。

中国語の魅力をもっと知る

この本が述べていることの一つに、ことばとしての中国語そのものの魅力がある。

というか著者の中国語愛がすごいです。

著者は「中国語に恋した」と言ってますが、ふつうの語学好きのレベルをはるかにこえてると思います。例えば、北京語の発音に恋こがれる気持ちを述べた部分。

二十年たった今日なお、北京外国語学院の留学生食堂で働く地元の娘さんたちが、タララララーとなめらかなソプラノで歌った「小盤児豆腐[シャオパールドウフ]」のフレーズが、どうしても耳から離れないのである。あまりに美しすぎて。単に「小皿の豆腐」という意味なのに。

第一章 中国語とは何か

あまりに美しすぎて。どんな発音だったのでしょうね

餃子の王将の「イーガーコーテル」でそんな気持ちになったことはありませんね

さらには書き言葉の見た目だけで、

漢字の羅列からなる中国語の文章に改めて出会った時、その視覚的な美しさに圧倒され、心を打たれずにはいられなかった。

第二章 中国語の技術

とまで言っていて、もう惚れこみ方がすごいです。

中国語で教養を全球化しよう

もう一つ本書で繰り返し述べられるのは、中国語を話すこと・読むことでもたらされる世界のひろがりについて。

極東の小さな島国・日本の住人である私たちにとって、中国語を通じてもたらされるグローバルな教養がいかに価値のあるものか、ということです。

著者はこのように言ってます。

中国を知るためだけでなく、世界を知るためにも中国語を読む意味があるのだ。何しろ十三億の潜在読者を持つ出版市場なので、日本語では書かれていないことも、中国語では書かれている可能性が高い。

第二章 中国語の技術

これは私自身にも思い当たるところがありました。

なにも中国社会や中国文化に関することばかりじゃなくて、

中国や台湾の雑誌やネットで、日本に関する記事や生活の話題、書評や映画評など読んでみると、ふだん日本のメディアで見る、ほとんど画一的な立場によった書き方とは異なっていることを感じます。

これは、中国人は何でも社会主義に寄せて曲解してる~とかいうことでは全然なく、

単純に視野が広いなあ!と思うわけです。

本で著者も述べているように、世界中いたるところに中国語を話す人たちが暮らしていて、その華人と呼ばれる人たちは違った境遇にいる他の華人や祖国とも常につながりを保っています。

中国語メディアというのは、そういった人たちに向けて書かれているからでしょうか。日本メディアが日本国内の日本人に向けて書いたものとは、やはりちがうんだなと、気づけるだけでもありがたいなと思っています。

 

本書の内容をザックリ説明すると

第一章 中国語とは何か

この章では、中国本土で方言ふくむいろいろな中国語に触れた著者が、中国語の特性について書いているのと、

さらに世界中どこでも華人がいるところで話され、彼らのグローバルなつながりを支える中国語の、世渡り&情報取得ツールとしての利用価値について、著者の経験をまじえて述べられている。

中国語ということばの広がりについてイメージがわく章。

第二章 中国語の技術

この章はほとんど中国語の文法と発音の説明に割かれている。

といっても文法の参考書ではないので、著者の初学時の思い出などをエッセイ形式で書いてあり読みやすい。とくに発音について詳しい。

中国語を勉強したことがある人なら「あるある!」だし、これから勉強する人には、方言の使われ方や北京口音のもつ唯一無二の存在感など、中国語の発音をめぐるいろいろを知ることができる章。

第三章 中国語のあるくらし

この章は言語から文化や社会へ目を向けた内容。中国の音楽や料理について多く書かれている。

人生全般にわたって、中国語を通じてアジア的価値観とつながることで教養を深め、豊かに生きることができるという趣旨の章。

東洋人の教養として

きわめつきは、著者が欧米人に対して言うという、このフレーズ。

「西洋の教養人がラテン語を知らないでは済まされないように、東洋の教養人もまた中国語を知らないではすまされないのである」

この本を読めば、そういいたくなる著者の、中国語愛の深みが少しわかります。

中国語人としての誇りを感じさせてくれるという意味で、初版から20年たったいまの日本でも変わらず貴重な一冊だと思います。

中国映画『腐女子探偵★グイ』はヴィック・チョウ刑事

U-NEXTで見られるヴィック・チョウ出演作品の話です。

腐女子」なのかなこれ

あらすじ

IQ180の天才少女・桂香、探偵としてこれまで解決した事件は数しれず。頭は切れるが恋愛では失敗ばかり、いまも失恋したまま95日目を迎え、何をする気も起きないのだった。そんな時、難事件が発生し解決を焦る警察は桂香に捜査を依頼。こんな女の子に頼ってなんになる?疑問を露わにする刑事・阿哲だったが、予想外に危険な展開に2人は力をあわせて事件解決へと突き進む。

軽快な推理ドラマ

複雑なトリックとか凄いスケールの迫力シーン!とかではないんですけど、

この邦題からもたらされる期待値の低さに反してと言うべきか、なかなかに素敵な作品になっていました。

まず腐女子探偵こと主人公グイのキャラクターが、好きなタイプ。

グイは素朴なそっけなさが、逆に都会っぽく感じさせるタイプの女の子だと思うのですが、グイ役は1984 年生まれ遼寧省出身の王珞丹(ワンルオダン)、ちょっと戸田恵梨香さんぽい?と思うような美人さん。映画の中のグイは愛想笑いもキラキラ化粧も媚びもまとわず、素直だけど強がりで賢くて、かわいいし、素敵です。

そんな彼女と渋々コンビを組まされ、一緒に事件を捜査することになる相棒の阿哲(ヴィック・チョウ 飾)。スッキリ襟足に爽やかさの感じられる賢そうな好青年です。一見するとへなちょこオタク女子に見えるグイに、明らかに距離置いてるんですが、そのうち彼女の実力に気づきはじめます。

もちろん推理ドラマなので主線は事件捜査の進行にあり、捜査関係以外でのふたりのセリフって少ないと思うんですが、言葉少ないなかにも、グイと阿哲がお互いを認めあってるなって分かって、だんだん距離をつめていくストーリー展開。捜査シーンとの緩急が良いです。

台北ロケということで市街地のなかで物語が進行、登場人物も少なめでわかりやすい。こぢんまり感がちょうどいい作品。98分という尺も昔の香港映画よろしく、長すぎず短すぎずのちょうど良さです。

でも見ごたえはしっかりあります。殺人事件からの、推理ありカーチェイスありで探偵ものの名に恥じない、サスペンスが満載。

グイの移動手段は愛車のバイク。女子が中型二輪で街中走ってる姿は颯爽としてて可愛く、好きなんですが、これがカーチェイスの時はマジな緊張感でギュイーンと走るカッコいい姿も!

ヴィック・チョウ刑事!

1981年生まれかぁ…本作公開時は34歳、お若いです。

F4時は20歳だったんですね。あの頃は注目してなかったんだった…

で周渝民が刑事役といったら2009年の『ブラック・オア・ホワイト』《痞子英雄》陳在天でしたが、マジメそうなイメージの彼、年齢とともに良くなってませんかね~。

おなじ刑事役ですが、状況に流されてばかりでいつも首の皮一枚でつながってるよーな陳在天とは違って、本作の阿哲はもっと分かりやすく、落ちつきがあって優しいお兄さん系男前。とりあえず先攻でナンパかけたり(死語?)しないし。

はて、ヴィック・チョウ出演作は配信で見れる作品が少ないような。《痞子英雄》は、だいぶ昔に日本の地上波で放送されてたけど、配信では見れませんね?古すぎるの?

《烈火如歌》はUnextで見れるかな…あれはなかなかフシギな良い役どころ。とゆうかお話自体がフシギだった…ヴィック・チョウじゃなかったら挫折してたかも。

いつも孤高キャラというかそっけなくしてても、どうしても優しい感じがにじみ出てしまうところが魅力ですね。大人しい役なのに存在感があるのは、やっぱりすごい人なのでしょう。

腐女子探偵★グイ』ではラストシーンがよかったです。

とにかく‟やりすぎてない”ところがgoodな映画でした~

予告編映像です

youtu.be

 

作品情報

《宅女侦探桂香》   腐女子探偵★グイ

2015年中国 98分  ロケ地:台北

監督 彭顺

豆瓣评分 4.3 

キャスト

桂香   王珞丹

阿哲   周渝民

蔡医生   任达华

望遠鏡おばさん 鲍起静

玛姬   天心

中国映画『ライド・オン』《龙马精神》ジャッキー主演作品

ジャッキー主演映画の話。

え、誰

がっこうに通う、あの可愛い熊のこと?

ちがいます。ジャッキーといえば成龍ですね。

劇場まで行ってしまった…

あらすじ

ルオは往年の名スタントマン。年老いた現在は愛馬の赤兎と2人暮らし、映画村の観光客を相手に余興で日銭を稼ぐ日々だ。別れた妻との間の一人娘、小宝は父親を嫌ってろくに会いにも来ない。そんなある日、借金のカタに赤兎を売る話が持ちあがり、ルオは悩み始める。

龍虎武師

ひとりの「龍虎武師」こと香港映画界の武侠スタントマンの半生、特にその家族の苦悩にスポットを当てた人情物語。

ジャッキー演じる主人公のルオは、既にいったん現役をしりぞいた身でありながら、老いた今でもスタントマンとしての堅持”龍虎精神”を持ち続けている、優しい兄貴分。

伝統的な香港映画といえば、切れ味するどいカンフー技と連動したイタいシーンの連発や、目をうたがうようなアッとおどろく展開が見ものですよね。

龍虎武師とは、香港映画界でも特殊な職種である。

カンフー映画が隆盛をきわめた頃、売れない若者たちがこの職種に流れこんだ。彼らは武術や馬術、飛行スタントなど特殊な演技を担当し、仕事はきついが収入は非常に良かった。

武術界でも撮影専門に活躍する人種として主に香港に分布しており、映画では格闘家や子分の役を演じることが多い。

龙虎武师(武打演员替身)_百度百科

ちなみに原語タイトルの《龙马精神》は「元気はつらつとした精神」という意味の四字成語。

ジャッキーの”龍”に赤兎の”馬”か…

龍やら兎やら馬やら虎やらで、少々ややこしい。

スタントマンの後悔

今や映画の製作現場も人身の安全が第一。かつては龍虎武師が担当した危険なスタントも、今ではCGを使ってどんな場面も創りだせる。

跳下来容易,走下来难。

「(高所現場で危険を感じたら)いちかばちかで飛び降りるのは簡単なことさ、できませんと言うことの方が勇気が必要だ」というルオのセリフ。

‟龍虎精神”にこだわりつづけたルオだったが、ついに家族を大切に想う気持ちがあるなら‟走下来”、危険なスタントはあきらめ、安全を優先しなければならないことに気づく。

67歳のジャッキーの口からこの言葉を聞くと、しみじみしてしまう。

満身創痍でたくさん良い映画つくってくれて、ありがとうジャッキー!の心境。

麒麟入りのポスター画像を残しておく

ルオの娘・小宝の恋人役が郭麒麟なのも私的にポイントです。

《赘婿》にひきつづきあの可愛いビンボーゆすり、本作でも披露しておられます。

他にも吴京、小沈阳といったスター俳優が出演、美形男子・汪铎もチラリ拝めるサプライズあり

映画の中では、ジャッキー過去作のスタント映像がダイジェストされるシーンまで用意されていて、観衆のニーズに応えていただき感無量でした。

配信は、Huluで見れそうです。私はまた現地版DVDを買ってしまいました。。。

作品情報

《龙马精神》Ride On 2023年中国 126分

監督・脚本 杨子

アクション、コメディ、人情

豆瓣评分5.3

キャスト

罗智龙   成龙

小宝  刘浩存

乃花   郭麒麟

漫画《大理寺日志》

中国マンガ(原書)の話です。

本作の主役は(人間と同サイズの)大きな白猫、李餅。とある事情があって今は猫の姿に変えられているけど、もとは人間の若者なんです。推理が得意でとても頭の切れる大理寺少卿。

なんと全編フルカラーです

ストーリー

大理寺少卿・李餅と助手の陳拾、そして明鏡堂の個性豊かな部下たちは、今日も武都の正義を守っている。

そんな彼らの行く手を遮るのは、怪しい空気を漂わせる皇帝・武帝と、不死身の人喰いモンスター・一枝花。

どうやら李餅と一枝花の身の上には共通の秘密が隠されている?しかし真相はいまだ闇のなか…

李餅はいつか人間に戻れるのか?黒幕の最終目的は!?

唐代の大理寺で壮大な謎解きに挑む、猫判事と仲間たちのお話。

(日本語版無さそう。。。Amazonで中国語版が買えます ↓)

あのディー判事オマージュ作品

舞台となる大理寺は古代中国のお役所で、刑罰と司法を所管していたそうです。

大理寺は華ドラにはよく出てくるのですっかりおなじみ。「大理寺卿」がいちばんエライおじさんで、その下に「大理寺少卿」がいるんだよねー。

なんとこの《大理寺日志》は、私の好きなディー判事シリーズ、中でもツィ・ハーク監督の映画『王朝の陰謀 判事ディーと人体発火事件』からインスピレーションを得て描かれたもの。

映画は武則天が即位する時代の話ですが、本作でも女性の皇帝「武帝」が即位しますし、白猫姿の李餅も映画のキャラクターをモデルにして創作されたそうです。

さらに漫画に登場する憎きライバル官僚「来俊臣」は、ディー判事そもそものオリジナルであるロバート・ファン・ヒューリックの小説《大唐狄公案》でも、ディーを陥れる敵として登場しています。

私の好きなものどうしがつながっているー、なんかうれしい!

本国ではアニメ作品にもなって豆瓣★8.9とゆう大人気を博し、さらに昨年は人気若手俳優・丁禹兮主演でドラマも制作されました。

作者はRCさんという女性の漫画家さんです。

著者近影?

とっつきやすい原書体験として

私は1~3巻セットを京東(ジンドン)で。(上のAmazonリンクとまったく同じブツ)

  • フルカラーで絵がとてもきれい
  • もともとネットで1回約20コマ程度の連載形式なので、スキマ時間に読みやすい
  • ストーリー、キャラクターの完成度が高い
  • いちおう原書だけど漫画なので読みやすい

っていうところが気に入ってます~

じつは、すでにネット連載でぜんぶ読んでたのを、また読みなおし中。分かりやすいし面白いので、何回も読んでるうちに単語とか、覚えれるかなー?という下心w

ネット連載はこちらで!!↓↓

中国語だけど、無料でぜんぶ読めますよ~www.kuaikanmanhua.com

一つだけ、かなしいこと

こんなに素敵な作品なのに玉にきずなのは・・・

連載が止まってることよ(涙)

結末はいまだに遠くの闇のなかにあります~

涙でにじんで、見えないよ・・・

RCさんおねがい!はやく続きがよみたいです!