開心就好。

日々の備忘録

《难哄》感想

中国ドラマ《难哄》を見ました。

2025年の恋愛ドラマ。白敬亭の出演作をたどっていたので。

都会のマンションや香港のシーンが多くて、俳優さんのスタイルも洗練されているので、違和感ナシで鑑賞できました。変な人は出てこない。

恋愛もさることながら、ヒロイン・温以凡が過去のトラウマを乗り越えていく成長の過程が描かれ、つらい過去をひきずっていた女性が、愛に出会い自分自身をとり戻す姿、みたいな感じ。白敬亭は、以凡の同級生で彼女にずっと片思いの男子・桑延を演じています。

育児放棄や家庭崩壊、性犯罪とか、けっこう重いエピソード。華流では、悲惨な境遇の可哀想な人を描くシーンは急にリアルになるなあ。

だけどこれは、上手に構成されたドラマだ。重い気持ちをひきずらないように、笑いがあったり、CP2钟思乔&苏浩安の元気・おとぼけコンビ、爷爷奶奶による老いてからの家族愛が挿入されたりして、楽しかったりほっこりしながら進められる。32集もあるのに長く感じなかった。

温以凡が少しずつ勇気を出して明るく強く変わっていく様子は、自分の日常にも重なる部分がある。さえない私だけど今日もがんばろう、っていう気持ちにさせてくれる前向き効果を感じました。

お目当ての白敬亭はというと、桑延の役柄はとにかく温以凡が好き!ずっと好き!っていうそれ”だけ”しかないよな人物なんで……笑 とくに何の感想もなかったです。

だが、ドラマよりも。特筆すべきはサウンドトラック。

オープニングテーマが五月天!っていうだけで十分ドラマを視聴する理由になってしまうほどだが、エンディングテーマの李宇春《是你》もまた、美声が沁みるめっちゃ良い曲。この人の声はほんとうに気持ちいい。

劇中で流れる汪苏泷《像晴天像雨天》、张碧晨《晚点》も印象に残る。张洢豪《My Dear》、バンドサウンドの萧秉治《向悄悄住进你的灵魂》は洋楽っぽい曲で、ずいぶんセンスがよい。OSTには毛不易《只在今夜》も収録。

とにかく好きな曲いっぱいでした。しばらく、このOSTが私の日々を支えるメインコンテンツになりました。かなり気に入ってます。

あとはロケ地がとても気になり。毎回映るレトロなロープウェー、もしかして……?と思ってたらやはり、重慶で撮影されていました。行きたい観光地の一つ。もう一回、街の映像を見返す楽しみもありそう。

《难哄》/『あの日の君と』

2025年中国 全32集

章若楠、白敬亭、张淼怡、陈昊森、魏子昕(桑延爸爸)


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中国のお庭、园林、庭院……花园?

『中国の庭園 山水の錬金術』を読んでいる。なかなかおもしろい。

イングリッシュガーデンなんかは好きだし、あれば立ち寄ってみたくなるが、中国庭園ってあまりイメージがなかった。だって近所にないし。

半分くらいまで読んだところ。

著者の木津雅代氏は、中国に造園留学して、あの上海・豫園の修復期に現場監修の老師に師事できるなんて、ほんとうにすごいと思う。そんな、あとにもさきにも著者にしか得られなかっただろう貴重な経験の記録を共有してくれる本だ。

庭園は、中国語では”园林”。と思ってたら、花园っていうのも出てきた。ほかに庭院とか、院子、ってのもあるな。

何かちがいがあるのか??

 

花园  huā yuán は、そのままgarden、お庭ですね。百度百科でもヨーロッパ風なガーデンの写真が配されていた。

これ花园ね

庭院 tíng yuàn は同義語に天井、院落、とあり。これは「中庭」でいいでしょう。

建物に囲まれてある、庭院

『中国の庭園 山水の錬金術』で言うところの庭園は、”园林”のことだ。

园林とは、特別に育てた自然環境と、憩いの場を指すのだそうだ。

一定の区域において、建築技術や芸術手法を用いながら、地形を改造(築山、敷石、水路の造営)し、植物や花を植え、建築物を配置したもの。(百度百科)

それだけならヨーロッパのでかいガーデンもほぼ同じなのでは?築山、敷石、水路に橋、東屋もあるじゃん…… と早合点しそうになったが、いちばんの特徴はその続きの説明だったわ。

地形、山水、建築群、植生などを通じて、人類の精神文化を表現するもの。(同)

とある。人類の精神文化を表現する、とな。なんて大げさな。

だけど、この本で解説される「太湖石」や、園林のそこかしこに配置されるという「扁額」や詩の「対聯」について知ると、なんかぼんやり分かった気になってきてしまう。

なるほどこの人工的で、茶番のようなわざとらしさでも逆に開き直っているかのような、中国のお庭が、じつは視覚を通じて鑑賞者の想像力に訴えるためのものなのね、という理解ができる。

たんに美しい風景を造園し、切りとって見せるというだけのものじゃないんだ。

想像のなかの、ひとつの完璧な風景をお庭に作りこむんだけど、出来あがりの庭が全てじゃない。その庭を見た人が、目のまえの樹木や小滝から、さらに自分の頭の中で、別次元にある自分なりの桃源郷や、異なる宇宙にまで想像をめぐらしたところ、そこに完成形を置く芸術なのかな。って思った。

だから、わざとらしくても、あえてそれで良いのかも。

 

中国の庭について、こんなに考えることがあるとは思わなかった。

これはいい本だ。

《折腰》感想

刘宇宁と宋祖儿が主演の古装劇。婚後恋愛パターンの恋愛ドラマです。

日本版タイトルは『折腰(せつよう)』となってました。

せつよう、ってそんな日本語があるのかどうか知りませんが

折腰といえば、ジェイ・チョウの曲《红尘客栈》の歌詞です

♪♪ 任武林谁领风骚我却 只为你 折腰 ~♪♪

って歌ってましたね

♪♪ 誰が武林を制覇しようが関係ない、俺がひざまずく相手は君だけだよ ♪♪

武侠にそんなヒーローが出てきたら、まあ興ざめですね~


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ジェイチョウはさておき

こちらの《折腰》は古装劇だけど、皇帝も出てこないし、戦闘中に急に空とんだり(軽功)もしない。剣(拳)の技がどうスゴイとか厨二な解説もまったくなく、ごくふつうに、若い夫婦とその家族たちの心のふれあいと愛情を描いてあるドラマでした。

このドラマはキャストが良いから、まず見ない選択はなかった。

好きな役者さんが居すぎて、早送りすらできん。。。

表兄(庆余年の刘端端)が葛藤ののちに飛躍をみせるストーリーに感動。

魏劭を補佐する将軍・魏梁(王成思)、魏枭(刘一宏)と、《赘婿》で好きだった俳優さんが起用されてるのも嬉しい。

あと、大好きな李雪琴です!演技も全然いけるやん。

魏梁と小桃のお団子カップルは、画を見てるだけでも楽しい。

お団子カップル

ベテラン勢は、魏子昕や何润东のトボけたキャラがもう最の高でしたね。

主役のふたり、刘宇宁と宋祖儿にいたっては、本当によくお似合い。刘宇宁がちょいおじさんで、一回りくらい離れてそうな宋祖儿にメロメロになるのもなんか自然な感じがした。

主人公の魏劭(刘宇宁)は、仇敵への恨みに心を支配されているため、最初はめっちゃ尖ってる。がんばってコワい顔を作ってるんだな。

それに引きかえ、ナチュラルにコワいのが奥さんの小乔(宋祖儿)。メイクが濃くて。実写版・ガラスの仮面のようです。もとが超美人だから、メイクが引き立ちすぎてるだけなのか?

この小乔が、賢く、優しく、慈悲深く、繊細な気づかいで夫のくらしを心地よく整えてあげるかとおもえば、愚かな姑をあざやかなアメとムチで手なずけたり、戦場では将軍に自ら戦術を授けたりとか。何でもできすぎで、それもちょっとコワい!

そんな完璧すぎる奥さんに魏劭もだんだんと心を開き、最終的にすっかり彼女に甘えて幸せになってるという、ハッピーな作品ですね。

これが「折腰」ってことなのかなあ。

ちょっとだけ気になった点を書いておくならば

刘宇宁と宋祖儿の滑舌。。。

イヤだとかいうほどじゃないけど、CPふたりとも滑舌に難ありっていうのは、ちょっと疲れる感じがするもんですね。

刘宇宁はどの作品でも同じだけど、セリフが多いと滑舌わるくなりがち。宋祖儿は全体にかなり舌たらずなしゃべり方。

夫が生命の危機!何とか事態を救うため、小乔が数百人の兵士たちに号令をかける場面。 ”将士们,听令!” とかいう気合のセリフも、可愛らしすぎて締まらず。

ふたりがケンカするシーンなんか、声だけ聴いたら子供のケンカ?

まあ殺傷力低めです 笑。

刘宇宁も宋祖儿も、その可愛げふくめて魅力になってる俳優さんだけど、問題は、果たしてこのふたりを対にするべきだったのかどうか。

まあドラマの出来はすごく良いと思いましたので、最終的には、滑舌はそこまで問題じゃないんかもしれません。

笑いあり感動ありの、すてきな作品。

 

《折腰》/『折腰 せつよう』

2025年中国 全36集

監督:邓科

出演:刘宇宁、宋祖儿、刘端端、王成思、李雪琴

『劇場アニメ ベルサイユのばら』

なつかしさに勝てず

わざわざ『劇場アニメ ベルサイユのばら』を見にいった

長ーい睫毛にふちどられた大きな瞳の中に、キラキラと輝く星。

ああ、少女漫画!

ひたすら、なつかしい……

高校生のころに読んだ名作漫画です

ボリュームたっぷりの超大作だったはずだけど

映画は2時間弱だから、ずいぶんダイジェスト

そう、ダイジェストって言葉がぴったりだな

名台詞や記憶に残る場面のつなぎ合わせみたいな感触です

マリー・アントワネットのフランス入り(1770年?)から始まり

バスティーユ陥落まで。

これ原作を読んでない人は何のこっちゃ??かもね

かなり端折られてたので、ベルばら初見でこの映画を選ぶとツライ。きっと何がおもしろいのか全くわからないだろう。

少なくとも、オスカルが急にアンドレの妻になる、とかゆう展開の

必然性は分からんのではないか?

あと、ところどころでアニソン調の歌が挟まれ、ミュージカル調になる

細かく説明したら時間足りないから、こういう展開になるんだろうな

でも、新しかった

アニメがきれい。

画が、今どきのアニメになってたというか。

記憶の中のオスカルよりも透明度アップした、さらに美しい画面を堪能した。

たぶん色調とか、細かいテクニックの違いがあるのかな?詳しくは分からない。

オスカルもアンドレもアントワネットさまもフェルゼンも、違和感ない絵で懐かしさいっぱいなんだけど、全体がなんだか新しい。今の鑑賞眼にも全然、耐えうる。っていう体験だった。

客席も、おおむね60オーバーのお姉さま方でいらっしゃいました

あんなにキラキラで、色濃く鮮やかだった少女漫画の世界を、隔世の感でもって眺める約2時間。悪くない。

もうあの世界には戻れないし、今の世界にはもう属してない芸術なのかもしれない。閉じられた世界の中に、あの人たち永遠に生き続けてるんだなって気持ちにさせてもらいました。昭和の少女漫画。尊いです。

《成何体统》七英俊 中国語本

上下巻、568頁

中国語の本。

なにか読みたいってときに、豆瓣小説ランキング2位にこの作品があった。

百科によれば、作者の七英俊氏は90後のネット作家。著者近影は、赤いワンピースを着た、モデル風の女性だ。

中国語ペーパーバックもぶあつい上下巻、けっこうボリューム感ある作品。ラブコメ&謀略&サスペンスって感じでしょうか。

主人公は、とりたてて人より優れた容姿でもエリートでもない社畜女子の王翠花。通勤電車で開いたスマホ小説の世界に吸い込まれて、物語人物に転生するという異世界トリップものでした。

そこで悪役キャラの夏侯澹と出会い、物語世界の中で生きのびるため、同志となってともに陰謀と戦い、策略を練り、、、してるうちに、お互いを大切に思うようになり…という内容です。

社畜女子、高冷霸总、穿书……

華ドラによくありそうなやつ。これは、既にあるドラマの原作??と思ったけど、私が読んだ時点ではまだドラマ化はされてなく、アニメ作品だけでした。

(その後2025年に王楚然、丞磊主演でドラマ化)

 

上下巻で568ページだよ、なげー!

これ途中でつまらなかったらどうしよう。って心配で読みはじめる決心するのにしばらくかかったけど、読めばちゃんと最後まで楽しい、よくできた作品だった。

オタク向けすぎるネット小説、サブカルに走りすぎてる作品は、平日の醒めた脳みそで読むのは辛いときあるけど

この《成何体统》は、王道エンタテインメントと言ってもいい佳作だな

高顔値ドラマばりに、登場人物が魅力的。次々に起こる事件にハラハラできて、筋書きが上手だと感じた。楽しい読書でした。

 

さてドラマの予告編でも使われていた本作品の象徴的なシーンには、唐突な英語のセリフが出てくる。

異世界トリップ先の物語世界で、自分だけじゃなく、相手も異世界仲間なのでは??というときの、見分けかた。

それを確かめるための問いかけが 

"How are you?"

すると、さっきまで異世界キャラになりきっていた目の前の男性が同じように英語で返答する

”I'm fine, thank you, and you? ”

オゥ、このベタすぎる英会話を知ってるキミは、間違いなく現代世界からトリップしてきた人間やね!!というわけ

日本人にも完全に通じるボケ(ベタな教科書英語)、よかった。

今じゃ古装劇はもう、誰も彼もが、かなり見飽きたコンテンツなんじゃないでしょうか。そこで英会話を暗号として使うっていうのは、さすがに新鮮だった。

 

さらにこのシーンで私は、なつかしの名作マンガ『笑う大天使(ミカエル)』を思いだした。

『笑う大天使(ミカエル)』は、超・お嬢様学校に通う3人の少女が、それぞれ自分に合わないお上品キャラを演じる日々にほとほと疲れ果てていたところを、 ”サンマの開き”(=暗号) がきっかけで、お互いを猫かぶりの同志!と見破ったところから、やっと孤独から救われるっていうお話でした。

大好きなマンガとの共通点を発見し、《成何体统》にもかなり親近感わきました。

 

タイトルの“成何体统”は「みっともない!」、「なんとぶざまな!」

大マジメに感動する(泣かせる)古装ものっていうよりは、主人公たちのサバイバルを手に汗握ってみまもるような、冒険物語っていう趣向かなあ。

単語の難易度は、「やや難」にしておこう。

ポップなストーリーのわりに、古い言葉や古典的な文句がけっこう出てきて、調べないとわからないことが多かった。

やはり中国作家としては、古装の話を描くのにふつーの言葉で書いたんでは、教養が無さすぎ!とか、責められるのだろうか。(しらんけど)

 

私が調べた中で気に入った新フレーズは

“我偷电瓶车养你” ですね(全然古典ちゃうやん)

 

異世界の皇帝・夏侯澹は刘宇宁を連想しながら読んだ。

病弱、薄命、ローテンションなのにがんばれる男 = 『安楽伝』の罗铭西(ルオ・ミンシー)としか思えなかった。

ドラマ版、丞磊の夏侯澹も、チラ見したところではかなり良かったです。このお話気に入ってるので、ドラマ版も見ておきたいなあ。

 

《成何体统》2022年4月

七英俊著 上下巻 568頁

湖南文艺出版社

豆瓣评价 8.1